【2ch】 ぬるぽ
15 : 水先案名無い人 :2005/06/09(木) 22:23:55 ID:vXqhHEnj0
   “ぬるぽっ”
   眼窩に指を突っ込んだ。
   「餓ッ」
   たまらず叫んだ。

 

 

 



【漫画】 あずまんが大王
16 : 水先案名無い人 :2005/06/09(木) 22:58:55 ID:oJObNHdm0
   「何したんや!?」
   「何も」
    ちよちゃんは答えた。
   「技さ」
   「技やて!?」
   「技術だよ」
   「な、な──」
    大阪は、言葉にできない声をあげた。
   「何がおこったか大阪さんにはわからんだろうが、これは神
   秘な力でもなんでもないよ」
   「──」
   「これは技術さ」
   「技術やて?」
    大阪は、歯を噛みながら、割れた割り箸を見つめていた。
    息をするのさえ、忘れてしまいそうであった。
    割れるのか。
    そう思う。
    ただの割り箸が、ここまできれいに割れるのか。
    できるのか。
    やれるのか。
    やれるのだと、ちよちゃんの笑みが言う。


17 : 水先案名無い人 :2005/06/09(木) 22:59:14 ID:oJObNHdm0
    できるのだと、手にした割り箸が叫んでいる。
    さっきの自分の割り方などとは、根本的に違う。
    研ぎ澄まされた日本刀で、何もかも根こそぎ断ち切るよう
    な割り方。
    大阪は、それを見ていた。
    膝が、がくがくと震えていた。
    何か、凄まじいものが、背を駆け抜けている。背を駆け
    登ってゆく。
    駆け登って、脳天に突き抜ける。
    駆け登っても、駆け登っても、突き抜けても突き抜けても、
    まだ終わらない。まだ足らない。
    自分の背の底に、何か巨大な力の塊が、無尽蔵にあっ
    て、それが次から次に背を駆け登ってゆくようだった。
    震えるな。
    震えるな。
    身体の震えを、止めようとしても止めようとしても、止まら
    ない。


18 : 水先案名無い人 :2005/06/09(木) 22:59:29 ID:oJObNHdm0 なんという。
    なんという。
    まったく、なんというものを見たのか。
    なんという割り方なのか。
    今、眼の前に見たばかりのとてつもない光景。
    それは、自分は、本当に見たのか。
    大阪は、震える足を、前に踏み出した。
    ちよちゃんに向かって。
   「どうしたい、え?」
    ちよちゃんが言った時、ようやく、大阪が口を開いた。
   「あたしに・・・・・・」
    大坂は、やっと言った。
   「あたしに、割り箸の割り方を教えてくれへんか──」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 




【コピペ】ナポリタン
20 : 水先案名無い人 :2005/06/10(金) 00:14:13 ID:Fts8HvMM0  
   昼食の席であった。
   目の前には、スパゲティナポリタンが置かれている。
   これから自分が食べる料理なのであるが、それを眺めていると、
   どうしてもあることが頭に浮かんでしまう。
   ずっと不思議に思っていたことであった。 積年の疑問である。
   それは、
   なぜナポリタンは赤いのであろうか──
   という問いであった。
   簡単のように見えるが、奥の深い問題であった。
   「赤いから赤いのだ」
   などと、トートロジーを並べて悦に入る浅薄な人間もいる。
   しかしそんなものは、思考停止に他ならなかった。
   知性の敗北以外のなにものでもないのである。
   負けたくなかった。
   それでは、負けないためには、どうすればよいのか。

21 : 水先案名無い人 :2005/06/10(金) 00:15:11 ID:Fts8HvMM0  
   「赤方偏移」という現象がある。
   宇宙空間において、地球から高速に遠ざかる天体ほどドップラー効果により、
   そのスペクトル線が赤色の方に遷移するという現象である。
   つまり、本来のナポリタンが何色であろうとも、ナポリタンが我々から
   高速で遠ざかっているとすれば、毒々しく赤く見えるはずなのである。
   目の前のナポリタンは、はたして高速で動いているのか否か──
   それは、ナポリタンの反対側に回ってみることで、わかるはずであった。
   運動の逆方向から観察することで、スペクトルは青方遷移し、
   青く見えるはずなのだ。
   ぶるりと、体が大きく震えた。
   体の中で、なにか、あついものが、じわじわと蠢いているようであった。
   ナポリタンが高速移動しているのかどうか、今すぐにでも確かめてしまえるのである。
   たまらなかった。
   「おきゃああああっ」
   獣のように叫んだ。
   叫んで、ナポリタンの反対側に回った。 素晴らしい速さであった。
   その位置から見たところ、ナポリタンは赤いままであった。
   どうやら、このナポリタンは、高速移動をしていないようであった。




【小説】吾輩は猫である
23 : 水先案名無い人 :2005/06/10(金) 20:06:08 ID:DAaI3PuX0
  指は?
  掴める!
  脚は?
  走れる!
  眼は?
  見える!

  問題ない。何も、問題はない。
  一体、何の不満があるだろう。
  自分には、こんなに立派な肉体があるではないか。
  一人でも戦い抜くだけの、立派な肉体が、あるではないか。

  闘え、闘え。
  そう言ってくれる肉体が、あるではないか。

  「応!」
  声にならない、声をあげる。
  自分の肉体に、応える。

24 : 水先案名無い人 :2005/06/10(金) 20:06:33 ID:DAaI3PuX0
  俺は、俺だ。
  と、男は思った。
  自分が闘えることは、俺だけが知っていればいい。
  人から、ただの猫と呼ばれてもいい。
  そう呼びたければ、呼べ。
  何も、問題はない。
  名前が無いことさえ、俺の闘いを妨げるものではない。

  「応!」
  もう一度、己の肉体に応える。
  闘わない、という精神の強さが、男の最大の武器だったかもしれない。

  男は、ただの猫だ。
  名前は---、まだ、ない。




【コピペ?】元ネタ不明
26 : 水先案名無い人 :2005/06/11(土) 11:49:52 ID:s23WigQv0
   チンポを、掴んだ。暖かい。
  分厚い肉が、硬直した独特の感触。
  しゅっ
  しゅっ
  という音だ。
  しゅっ
  という音だ。
  しゅっ
  という音だ。
  そそり立ったチンポの先が、更に膨張する。
  「ぬわっ」
  一気に射精しそうな快感が襲う。
  出してはいけない。
  小泉首相と、亀井静香が、セックスを、している様子を思い浮かべた。
  「ぬわわっ」
  むしろ、勃った。
  己の、節操の無さに落胆した。




【コピペ】吉野家
27 : 水先案名無い人 :2005/06/11(土) 15:49:09 ID:7gKdxjQk0  
  昨日の、吉野屋であった。
  小腹が空いたので、何か食べようかと思い、近所の吉野屋へ行ったのだ。
  そこに、すさまじい光景があった。
  人。
  人。
  人。
  人がいるのである。
  先客であった。 それも、おそろしいほどの数で、席を埋め尽くしているのであった。
  このままでは、どこかの席が空くまで、座れそうにもない。
  なぜ──
  と思う。
  奇妙であった。
  いつもはここまで混んでいる店ではなかった。 それなのに、なぜ、今日はこんなに人がいるのか。
  その答えはすぐに解かった。
  垂れ幕が下がっているのである。 そしてその垂れ幕には、
  「一五〇円引き」
  などと、書かれているのであった。
  その文字を読んだ途端、体の中にある、何かこわいものが、ざわりと騒いだ。
  何を──
  何を言っているのか。
  それでは、この大勢の客は、今日は一五〇円安いからというだけで、吉野屋へやって来ていると言うのか。
  阿呆か。
  と思った。
  馬鹿か。
  とも思った。
  なぜ、たかが一五〇円引きという利点のみで、普段は来ていない吉野屋へ来ることができるのか。
  木瓜が。
  とも思う。

28 : 水先案名無い人 :2005/06/11(土) 15:50:30 ID:7gKdxjQk0  
  一五〇円である。
  わずか、一五〇円──
  しかも、よく見ると、客の中には親子連れも交じっているようであった。
  一家四人で、吉野屋へ来ているのである。
  おめでたい話であった。
  「ようし、パパはよ、特盛を頼んじまうぜ──」
  そのような声まで、聞こえてくる。
  もはや、見ていられなかった。
  お前ら、一五〇円をくれてやるから、その席を空けな…
  そう、言ってやりたかった。
  吉野屋というのは、もっと殺伐としているべきなのだ、と思う。
  Uの字テーブルの向かいに座った奴と、いつ喧嘩が始まってもおかしくない。
  刺すか刺されるか。
  そのような雰囲気が、いいのである。
  女子供はすっこんでろと、そう思う。
  そのうち、席が空いた。 やっと座れたのである。
  その時であった。
  隣りの客が、
  「大盛りつゆだくで──」
  などと、言っているのであった。
  そこでまた、体の中の熱が高まるのを、感じた。
  あのな──
  心の中で、声をかけた。
  つゆだくなんてものは、今日び、流行らねえんだよ。
  木瓜が。
  また、そう思った。

29 : 水先案名無い人 :2005/06/11(土) 15:50:51 ID:7gKdxjQk0  
  何を──
  何を言うのか。
  得意げな顔をして、何を、つゆだくで、などと言うのか。
  お前は本当に、つゆだくを食べたいのか──
  そう、問い詰めたかった。
  問い詰めたかった。
  小一時間、問い詰めたかった。
  お前は、つゆだくと言いたいだけではないのか。
  そんなものよりも、吉野屋通の間での、最新流行があるのである。
  吉野屋通である身から言わせて貰うのであれば、それはやはり──
  ねぎだく、
  であった。
  大盛りねぎだくギョク──
  それこそが、通の頼み方であった。
  ねぎだくというのは、ねぎが多めに入っていることである。 その代わりに、肉が少ない。
  これが、いい。
  さらに、その上に、大盛りギョク(玉子)。
  これこそが、最強なのであった。
  しかしこれを頼むと、次に来る時から、店員にマークされるという危険があった。
  諸刃の剣であると言えた。
  素人には、お薦めできなかった。
  吉野屋のド素人は、せいぜい、牛鮭定食でも食べていればいいのだ──
  そう、思った。




【コピペ】イオナズン

33 : 水先案名無い人 :2005/06/11(土) 21:11:20 ID:5PZgk7Xc0
  「特技は、イオナズンとありますが」
  その男――面接官が言った。
  「はい、イオナズンです」
  学生が、口元にうっすらと笑みを浮かべ、そう答えた。
  「イオナズンとは、何のことですか?」
  面接官が、再び質問した。
  「魔法です」
  「魔法!?」

88 : 水先案名無い人 :2005/06/13(月) 23:21:42 ID:spoTfLy10
  にぃっ。
  と。男が笑んだ。
  「はい。魔法です」
  くっきりと。
  「敵全員に、大ダメージを与える、魔法です――」
  そう、言い切った。
  馬鹿な。
  ここが、どこだかわかっているのか。
  ここで――面接会場で、よりによって――
  魔法などと!?
  寒気に似たものが、背筋を通り抜けていく。
  「――で」
  ごろり。と石のように、重たい声が出た。
  「その、イオナズンは当社において働くうえで……何のメリットがあると?」
  この男、何を考えているのか――
  そういう思いが、声に滲んでいるのがわかる。
  学生が。
  にいっ。
  と。笑った。
  「敵が襲ってきても、守れるじゃないか――」
  「ぬぅっ!?」
  馬鹿な――

89 : 水先案名無い人 :2005/06/13(月) 23:22:26 ID:spoTfLy10
  「当社には、襲ってくるような輩はいない」
  そろり。
  と、面接官が言葉を紡ぐ。
  「それに――それに、人に危害を加えるのは、犯罪だ――」
  「でも、警察にも勝てますよ――」
  この男……
  この男、人の話をまるで話を聞いていない――
  「いや、勝つとか、負けるとか……そういう問題ではない」
  「敵全員に、100以上与えるんだぜ――」
  言いきった。
  ごうっ。
  と。ひどく熱いものが、腹の奥から沸きあがってくる。
  「ふざけないでくれ」
  止まらない。
  止まらない。
  もう、この熱いものを止めることが出来ない。
  「それに――それに100とは何だ!? だいたい……」
  「100ヒットポイントだよ」
  まるで、子供に教えるような口調で、男が言う。
  「HPとも書くのさ……ヒットポイントというのはな……」
  「そんなことは聞いていない!」
  叫びそうだ。
  「帰れ」
  叫びそうだ。
  「帰ってくれ!」
  だが、そこを堪える。
  「聞いてません。帰ってください」

90 : 水先案名無い人 :2005/06/13(月) 23:23:07 ID:spoTfLy10
  そこに。
  張り詰めた糸のように、今にもぷつりと切れそうなそこに。男が。
  「あれ?」
  と。
  「あれあれ? 怒らせていいのかい――」
  と。言葉を滑り込ませる。
  「使うよ。イオナズン」
  ぷつり。
  そこで、糸が切れた。
  「いいとも……」
  もういい。
  使いたければ、使うがいい。
  「使ってみろ。イオナズンとやらを――」
  それが、どうしたと言うのだ。
  魔法などと、そんなたわけたものが、ある筈も無い。
  「それで、満足したら、帰ってくれ」
  男が。
  にぃっ。
  と。笑う。
  そして。
  「運がよかったな」
  「何!?」
  「今日はMPが足りないみたいだ――」
  「帰れよ」

たまらぬ男であった。




【エロゲ】School Days
37 :水先案名無い人 :2005/06/12(日) 03:48:57 ID:xaHv4BiX0
  「今だけ――西園寺さんのことを嫌いになった誠さんでいて下さい」  
  俺世界のこと嫌いになった訳じゃないから、
  うまく言えないかもしれないけど――

  最高だった
  言葉は、世界よりずっと良かった
  言葉の胸は大きくて柔らかい
  それに比べて世界の胸はなんと物足りないのか――
  言葉の胸は最高であった
  締まりも凄かった、比べると、世界のでは全然いけなかったのだ
  言葉には入れるだけで、ふいに、もの凄い早さで達してしまいそうだった

  世界のあんな体に溺れていたのだ
  糞!
  自分が情けなかった
  手が、足が、躰が、肌がずぶずぶと吸い付きそうだった
  比べると、もう世界の躰は弛緩しきっていた
  触るのは言葉に対する冒涜のような気がした
  世界は――屑女だ。
  世界の価値は中出しさせてくれるくらいでしかなかった
  言葉さえ居れば俺は――
  何度も喘いだ
  言葉
  言葉
  言葉――




【コピペ】オンラインカジノ

38 : 水先案名無い人 :2005/06/12(日) 10:54:13 ID:8j2s7OFd0
  25歳。 去年までは――
  金が無かった。
  オンラインカジノとパチンコ。
  たった、それだけだった。
  たったそれだけで二年間、350万を貯めたのだ。
  一度――
  一度やってみたらどうなんだ!
  初回――
  初回だけ――1ドル以上のチップを買えば、
  30ドル(4000円くらい)は貰えるのだ。
  いや、と否定する。
  もらうだけもらって、プレイさえしなければ――換金することもできる。
  いっそ――いっそ思い切って、ルーレットで赤か黒に賭けてしまえば、
  50パーセントで二倍になるのだ。
  二倍!
  金さえもなければ、
  オフラインでゲームすればいいだけだ。
  暇潰しぐらいには、なるだろう。
  ビデオポーカーもある。
  スロさえもある。
  色々ある。
  これは――
  本気で勧められるのではないか――
  そう思った。




【漫画】ドラえもん
42 : 水先案名無い人 :2005/06/12(日) 19:30:13 ID:AmZ8Ldfl0
  構えた。
  頭部を両手でガードする。
  守るのは頭部だけ――
  そう決めている。
  ジャイアンを倒せないのはわかっている。
  倒さずにして勝つ――
  背を丸め、肘と肘を合わせて完全に守りに入る。
  これでジャイアンを追いつめる。
  しかし――
  あいつの打撃に自分は耐えられなかったら――
  ああ何を迷うのか。
  勝たなければドラえもんが安心して未来へ帰れないではないか。
  やるしかない。
  これしかないのなら迷うことはない。

  ジャイアンが腕をぐるぐると回して、荒々しく歩を進めてきた。
  右の、ストレート。
  しっかりと両腕でガードする――
  そう思った瞬間。
  何かが、凄い勢いで、飛んでいった。
  眼鏡が!?
  しっかりとガードしたはずなのに、あいつのパンチは予測を超えていた。
  その威力を防ぎきれず眼鏡が飛んだ――
  視界に、もやがかかる。
  まあいいさ。
  好きなだけ打ってこい。
  最後まで立ってたものが勝者だ。

43 : 水先案名無い人 :2005/06/12(日) 19:33:10 ID:AmZ8Ldfl0
  三十分。

  打撃を受けると、意識が消え、次の打撃で戻る。
  それを何度も繰り返した――
  ともかく、俺の肉体は、まだ地面に立っているらしい。
  打。
  机の引き出しからやって来たあいつ。
  「ぼくはきみをおそろしいうんめいからすくいにきた。」
  拳。
  セワシが言った。
  「でも、これからはドラえもんがついてるから安心あんしんしな、おじいさん。」
  投。
  「このドラえもんがつきっきりで・・・めんどうみてやるよ。」   
  蹴。
  おれの意識が昔へ飛んでいる。
  ひたすらに前へ出る。
  実は、攻撃しているのは、このおれだ。
  おれが、ジャイアンを追いつめている。

44 : 水先案名無い人 :2005/06/12(日) 19:35:26 ID:AmZ8Ldfl0
  抱きつく。
  おれは、殴られても殴られても――
  ジャイアンにからみつき、もつれあう。
  まて  負け    勝負はこ    だ。
  「ふうふう。これでこりたか。」
  あいつの声が聞こえる。
  打。
  ぼく   力    勝た    。
  ド   んが安心    、
  「未来へ帰れないんだ!!」
  叫ぶ――
  想いがおれの口からほとばしる――

  どうした。
  パンチに力がなくなってきたじゃないか。
  疲れたか、ジャイアン。
  おれはまだだ。
  まだ、やめるつもりはないぜ。
  「いてて、やめろってば。わるかったおれの負けだ。ゆるせ。」
  あれ――
  あれ――
  勝ったのか――
  広い空き地の中央。
  眼を閉じながら、のび太は、ふわりと、地面に倒れていった。
  「のび太くうん。」
  優しく、温かい、ドラえもんの手が、のび太を受け止める。
  「見たろ、ドラえもん、勝ったんだよ。ひとりで。もう安心して帰れるだろ、ドラえもん。」
  ドラえもんは、あとからあとから湧いてくる涙を止めようとした。
  止まらなかった。




【アニメ】鋼鉄ジーグ
47 : 水先案名無い人 :2005/06/12(日) 20:17:37 ID:xaHv4BiX0
  バン。
  バラ。
  バ。
  バン。
  ババン。
  バン。
  バ。
  バン。
  バン。
  バラ。
  ババン。
  ババン。
  バン。

  おれがやめたら、誰がやるのだ――
  そんなことはどうでもよくなっていた
  しかし、ふつふつと肉の中から怒りがこみ上げてくる
  全滅させなくてはいけない
  誰を?
  ―― ハニワ幻人をだ

48 : 水先案名無い人 :2005/06/12(日) 20:33:15 ID:xaHv4BiX0
  疾走れ
  バンバンババン
  “うるさいな”
  奔れ
  バンバンババン
  “誰だ?”
  意識を取り戻した。
  ひゅん
  ビッグシューターが疾風よりも速く飛んできた

  ビルドアップ
  ビルドアップ
  バ
  ンバ
  バンバ
  ンバンバ
  バラバンバン
  ンバンバンバンバ
  ババンババンバンバンバンババンバン
  ビルドアップし放題だった。
  腕が、飛び出していた。
  足も、飛び出していた。
  それが、磁石の力だった――
  首だけが、辛うじて残った。
  鋼鉄ジーグは半月以上手足なしの生活となった。




【AA】チャーハン作るよ
57 : 水先案名無い人 :2005/06/12(日) 22:11:34 ID:DVW2WgTR0
  「チャーハン・・・作るよ――」
  男の双眸の奥にこわいものが光る。
  手にしたフライパンの上でチャーハンが踊る。
  米飯が踊る。
  豚肉が踊る。
  野菜が踊る。
  卵が踊る。
  油で炒め、塩胡椒で味付けされたチャーハンが、踊る。
  踊る。
  踊る。
  その時であった。
  「アッ!」
  信じられないものを見てしまった。
  なんという事か――
  チャーハンが宙を舞う。
  香りほとばしるチャーハンが、虚空に舞った。
  米飯が、豚肉が、野菜が、卵が、床に散らばった。
  男の双眸は、光を失った。
  膝から、力無く崩れ落ち、両の手を地に突いた。
  失意の彼が、口を開いた。
  「よし」
  何がよし、なのか。
  「バレてない――」
  我が耳を疑った。
  バレてないだと!?
  まさか――
  彼は無残に散らばったチャーハンを掻き集め、フライパンに戻した。
  一粒残さず――
  そして、そのチャーハンを皿に盛り、言った。
  「できたよ」

58 : 水先案名無い人 :2005/06/12(日) 22:32:33 ID:4O0U5k+a0
  なんという──
  なんという、男なのか。
  こぼれたチャーハンを、フライパンに戻す。
  そして、それを相手に差し出す。
  相手は汚いチャーハンを、疑いもせずに口へ運ぶのであろう。
  このようなことを、するのか。
  このようなことが、できるのか。
  良心などといったものに邪魔されることなく、こういうことをしてのける。
  たまらぬ男であった。




【童謡】むすんでひらいて
64 : 水先案名無い人 :2005/06/13(月) 15:18:38 ID:NIuuerCe0
  結んで。
  開いて。
  開いて。
  結んで。
  また、開く。
  なんという単調な作業の繰り返しか、そう思った矢先だった。
  パンッ。
  パンッ。
  心地良い破裂音。
  耳慣れた破裂音。
  ククッ。
  やれば---やれば、できるじゃないか。
  最初から、もう一度、最初から見せてみろ。
  お前らの存在意義が、そこにあるはずだ。
  やりとげられないまま、悔しい悔しいと、
  小便をちびっていたあのころに、戻りたくはないはずだ。
  もう一度。
  もう一度だ。

65 : 水先案名無い人 :2005/06/13(月) 15:19:23 ID:NIuuerCe0
  拳。
  結んで。
  刀。
  開いて。
  打、打。
  打ちぬいて。
  拳。
  結ぶ。

  だめだ。
  だめだ。
  力が、足りない。
  俺が憎いだろう?
  俺が憎いのだろう?
  父から。母から。お前を引き離す、俺が憎いのだろう?
  お前になら、できる。
  お前だから、できる。
  やれ。
  やれ。
  やってくれ。
  見せてくれ。
  人間に、ここまでできるのだと、
  誰でもない、俺に、見せてくれ。
  俺だけに、見せてくれ。

  踏。
  そうだ。お前に足りないのは、力だ。
  足を開け。
  腰を落とせ。
  そのまま---、
  打、打。
  打て。

66 : 水先案名無い人 :2005/06/13(月) 15:20:45 ID:NIuuerCe0 
  あ。
  あ。
  お前が、手をあげるのが、見える。
  そうだ。
  もう何も言わなくても、分かってるじゃないか。
  もっとだ。手を上にあげるんだ。
  そうだ。それでいい。
  自分を誇れ。
  勝利を宣言しろ。
  俺はやりとげたと、みなに宣言しろ。
  それでいい。それでいい。
  俺は、満足だ。
  このまま。
  このまま逝かせてくれ---。


  男はやりとげた。
  いや、やりとげたのは、園児たちであった。
  結び、開き、手を打ち、かかげる。
  つまらぬ歌と、さげすんだこともあった。
  忘れようとしたこともあった。
  忘れられなかった。
  歌いたい、踊りたい。
  隠しきれるものではなかった。
  園児たちは、男を見る。
  この男がいたからだ。
  俺たちが、間違えても間違えても---
  この男がいてくれたから、俺たちは、ここまでこれたのだ。
  このような男が、まだいたのか。いてくれたのか。
  園児の目に、たまらぬものが込み上げた。
  我慢しなかった。
  する必要がなかった 。




【漫画】名探偵コナン


67 : 水先案名無い人 :2005/06/13(月) 16:12:27 ID:NIuuerCe0
  体は、小学生であった。
  心は、高校生であった。
  それは、絶えがたい屈辱となって、男に覆い被さってきた。
  今更---なにを今更、算数、音楽、給食、保健、鬼ごっこ、縄跳び、跳び箱、なのか。
  とうの昔に、置いてきたはずのものばかりであった。
  忘れていたものばかりであった。
  忘れていたいものばかりであった。

  小さくなっても頭脳は同じ---
  それは、諸刃の剣であることを、男は十二分に知っていた。
  やりなおせる、などというものではない。
  忘れていたいものを、もう一度繰り返さねばならぬ、ということだ。
  音痴。
  音痴。
  音痴。
  男の周りで幾度と無く聞いた言葉が、また聞こえてくる、ということだ。
  それがどういうことか知っているだけに、
  男はどうしようもない、虚無感に襲われた。

68 : 水先案名無い人 :2005/06/13(月) 16:13:57 ID:NIuuerCe0
  いいや。
  いいや、待てよ。
  と、男は思い直す。
  顎に手を当てて、しばらく固まったあと、ようやく、男はかぶりをふる。
  迷うことはない。
  迷うことは、ないではないか。
  どうやれば、それを乗り越えられるかをも、俺は、知っているではないか。
  亀のように丸くなりながら、少しづつ進めば良いということを俺は知っているではないか。
  そうだ、そうだ。
  前に進むということ。
  それは、負けではない。負けとは言わぬ。
  ならば、やはり、迷うことなど、ないではないか。
  男の頭脳が音を立てる。
  それもまた、酷く音をはずしていたが、男には気付けない。
  俺に、迷いはない。
  俺の頭脳は、体が小さくなったからと言って、ガタがくる---
  そういう類のものではない。
  男には、自信があった。

  小さくなっても頭脳は同じ。
  迷宮なしの名探偵。
  真実はいつもひとつ。

  そういうことになった。




【時事】MIYOKO


78 : 水先案名無い人 :2005/06/13(月) 22:05:46 ID:7V67wOPr0
  打。
  打。
  打。
  打。
  打。

  ひたすら打撃を加える。
  一体――
  いつまでねばる気だ――?
  これほどの打撃を――
  耐え抜くとは。
  腕が棒のようだ。
  ぬう?
  迷惑――
  迷惑だと?
  わからないのか?
  これが心の叫びだと。


79 : 水先案名無い人 :2005/06/13(月) 22:06:03 ID:7V67wOPr0
  打。
  打。
  打。
  打。
  打。

  一体、何枚の布団を破ったと思ってるんだ?
  何故――
  何故引っ越さないんだ?
  早く――
  早く引っ越せ。
  うるさい――
  うるさいだと?
  貴様らがうるさいなら、ラジカセの真横にいる
  自分が一番うるさいとわからないのか?
  鼓膜はとうに破けた。
  腕は限界に達している。
  それでも――
  それでも叩くのだ。


80 : 水先案名無い人 :2005/06/13(月) 22:17:44 ID:IWyJg+2G0
  「河原さん、CD止めて、CD止めてよ――」
  女は幾度も、幾日でも叫んだ。
  男は幾度も、幾日でも撮った。
  ――十年。

  何故彼女の言うとおり、引っ越さないのか。
  言うとおりにしてしまえば、いいではないか。
  迷い。
  迷い。
  だが、夫婦は平群を離れなかった。
  何かが。
  何かが止めていたのだ。
  それは、戦い――

  ――十年。

81 : 水先案名無い人 :2005/06/13(月) 22:20:38 ID:LADfsBov0
  見ろ――
  お前が、さっさと引っ越さないから――
  何という女か。
  これが、MIYOKOだった。

82 : 水先案名無い人 :2005/06/13(月) 22:49:00 ID:fUWks3N1O
  腕が太い。
  脚も太い。
  胴も、
  首も、
  唇も、
  目も、
  そこから放たれる眼光すらも太い。
  それがMIYOKOだった。

83 : 水先案名無い人 :2005/06/13(月) 23:03:06 ID:IWyJg+2G0
  「これ、キチガイの顔ですわ――」
  その時、彼の口を塞ぐべきだった。
  何としても、言わせてはならなかった。
  生放送である。
  しかし――
  そういう発言はふさわしくないんじゃないか、と、
  そうですね、と、
  失礼しました、と、
  それくらいしか言えなかった。

  菊川よ――
  バカヤロー、早く次へ行け、と思った。
  なんという、悪い日。たまらぬ。
  そう、思った。





【コピペ】男子もちゃんと歌ってください
84 : 水先案名無い人 :2005/06/13(月) 23:07:33 ID:cX3wEANF0
  私は前から不思議に思っていたのだ。
  考えても考えても解らない。
  考えたって解らないのだから考えなければいいのだが、
  気が付けばいつのまにかそれを考えている――そんなことがある。

  なぜ歌わないのか?
  なぜ男は歌を歌わないのか?
  私はすぐ音程を外すし、歌詞すらまちがえる。
  むしろ本当に歌が好きなのかどうかさえ怪しいものだ。

  しかし。
  しかしだ。
  ひとたび歌いだしてしまえばどうだ?
  妙に心が騒いでくるではないか。楽しくなってくるではないか。
  こんなに高揚した気分はそうそうあるもんじゃない。
  ねっとりと、身体を這いずる様な上司の顔でさえ今日は愛おしく思える。
  それくらいストレスかいしょうになるのだ。
  男達はそれに気付かない・・・いや、気付いてはいるのだろう。
  ただ気付いている自分に気付きたくないのであろう。
  これほどの快楽に溺れてしまうのが怖いのだ。
  おっと、歌の話だったな。

  男達にとって歌は楽しくないのか?
  別に調子っぱずれでもEではないか。何をためらっているのか。
  楽しくなれば
  るううい〜〜〜〜〜ら〜〜〜〜

85 : 水先案名無い人 :2005/06/13(月) 23:07:58 ID:cX3wEANF0
  男達よ、歌え。女だけが歌っていて何の意味があろう。
  女ばかりが声を張り上げても所詮は女、迫力というものがない。
  歌え!歌ってくれ!
  まさか、やる気ネー・・なんて言わねーよな?
     ↑
    ひょっとして不良気取りか?
  みんなちゃんと練習してるぜ。
  歌う。
  歌う。
  歌う。
  歌う。
  喉が切れる。
  涙を流しながら獣のような声で歌う奴もいる。
  ひゅうひゅうとかすれた音しか出ない奴もいる。
  ひとしきり症状が落ち着いたらまた歌う。
  血を吐いても歌う。
  歌う。
  歌う。
  歌う。
  歌。
  血。
  歌。
  涙。
  歌。
  血。
  涙。
  歌。
  歌。
  歌。歌。歌。歌。

86 : 水先案名無い人 :2005/06/13(月) 23:08:17 ID:cX3wEANF0
  こんな凄い奴らをお前はまきぞいにするのか。
  こいつらの血を踏みにじるのか。
  本ト(た)(ま)(ら)(ぬ)な。

  ほう、きちんと並ぶことはできるわけだ。案外真面目なんだな。
  おいおい、立ち位置がバラバラじゃないか。
  本番は11月9日だぜ。そんなトレーニングで間に合うのかよ。
  もうすぐ――もうすぐだ・・・
  もうすぐお前と――

  ぬ゛わ゛ぁーーーっ!歌え!歌え!歌え!
  男達よ、歌え!!
  鬼だ。女たちは鬼なのだ。男達への怒りが女を鬼にするのだ。
  子宮からふつふつと湧き上がるどす黒い情念が、出口を求めているのだ。
  みんなDぐみのシュートを、精液と愛液のどろりとした放出を楽しみにしてるのだ。

  大声で歌え。
  思いっきり歌え。
  さあ。
  気持ちいいぞ。


  これが女達のほとんどが思ってることであった。
  同時にそれは宇宙の理でもあった。
  男達は歌うべきなのだ。
  歌わないより、歌ってる方が人としてRべき姿を示しているのだ。




【漫画】グラップラー刃牙

94 : 水先案名無い人 :2005/06/14(火) 00:21:26 ID:VYjZsZbR0
  背が、高い。
  2メートルを優に超えている。
  巨人である。
  体重は、230キログラムはあるだろう。
  こんな-。
  こんなに大きいのか。
  腕が太い。
  脚も太い。
  胴も、
  首も、
  唇も、
  目も、
  その笑みすらも太い。
  「教えてやるよ」
  「教える?」
  「そうだ」
  「なにをですか」
  「何故、300年間で、横綱が68人しかいないのかをだ」

  たまらぬ男であった。

95 : 水先案名無い人 :2005/06/14(火) 00:30:50 ID:CD7pLbKT0
  >>94


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【AA】小田原にて
97 : 水先案名無い人 :2005/06/14(火) 00:37:00 ID:CD7pLbKT0
夢枕獏、小田原にて鮎釣りを楽しむの図


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ゞソ; ;ゞ;::|! '::;;::':; し〜^ヽ.    .:.:.:.:.:.:.:.:.:.:\ir':''|l|:;':':;';;;'::;
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      ヒ句x[lつ .' 。゜__ -- .. .__..,,厶';;;':;'冫;::;;:';::':;::::':;
;::;:: ベ─./  ,  )べ, −... - .. ... ゙~'''^''゙'''^'゙'''^''^"゙゙゙"゙゙
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仕事はしない